東アフリカに位置するコーヒーの原産国
コーヒーノキの主力品種である、アラビカコーヒーノキの原産国であるエチオピア。
アラビカ種に限定すると世界第3位の生産量となっています。
気候は標高によって差があり、低地は27℃から50℃と気温は高いが、高地の年間平均気温は20℃ほどと涼しくコーヒーの栽培に適した気温となっています。高原地帯は年間降雨量が1,200㎜を超え、この豊富な降雨量がゆたかな植生をもたらしています。
農園で栽培されるコーヒーは全生産量の10〜15%程と少なく、約半分は庭先のコーヒー(ガーデンコーヒー)、残りは全くの自然林に自生しているものや、自然林に手を加えて栽培しているものとコーヒーの生産国として特殊な環境となっています。
原産国であることもあり、コーヒーを飲む文化が、伝統として深く根付いています。コーヒーは貴重な外貨獲得源にも関わらず、収穫量の半分近くを自国内で消費しているというデータがあるほどです。
最初は噛むものだった!?コーヒーの実を発見したカルディ
コーヒー発祥の地として最有力視されるエチオピア。なぜ発祥の地と言われているのでしょうか。その理由として、「山羊飼いのカルディ」の話が有名です。
ある日、山羊飼いの少年カルディは、長い距離を歩き疲れているはずの山羊達が、緑の葉と赤い実を食べて興奮し、飛び跳ねているところを見て不思議に思っていました。その話を修道院の僧に告げ、一緒に葉と実を噛んだところ、疲れがとれて気分が爽快になったこと、がコーヒーの始まりと言われています。
エチオピアの伝統的なコーヒー飲用スタイル「カリオモン」
「カリ」はコーヒーの葉、「オモン」は同一の、一緒に、を意味しており、「コーヒーを一緒に飲む仲間」という意味を指す言葉となります。一般的にエチオピアでは、一人で飲むというスタイルよりも、コーヒーは仲間と一緒に飲むものとされています。
また、彼らにとってのコーヒーは、単に日常茶飯事の飲み物として以外に、様々な儀礼にも利用されています。アムハラ族などは、葬式の後にコーヒーが出されます。日本でいうと茶道と同様なものです。感謝やおもてなしのお返しに、きちんとした礼儀で飲むということになります。
西南部に行くと、結婚式のお供えとしてコーヒーが使われるなど、 エチオピアの歴史と共に歩いてきたコーヒーは、エチオピア国民の飲み物として深く根付いています。
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