コーヒー栽培の始まり
コロンビアのコーヒーは、1730年~32年頃、東部のベネズエラ国境の町タバヘにある、キリスト教修道院に植えられた、コーヒーの木が起源ではないかとされています。
その後、その修道院から派生し、コロンビア国内のキリスト教関連施設に広がっていきます。コーヒー栽培に適した土壌であることもあって、栽培数は増えていき、起源から約100年後の1835年に初めて国外に輸出されました。1870年代~1910年代にかけて、周辺国より少々遅れてコロンビアのコーヒー産業は活発になっていきます。そして、1927年に「コロンビア国立コーヒー生産者連合会」が発足し、市場で品質を高く評価されるようになりました。こうして、コロンビアのコーヒー産業は、国の重要な輸出産業となり、およそ四人に一人がコーヒー栽培に携わるほど重要な産業となっています。
コーヒー栽培に適した環境が揃うコロンビア
コロンビアの国土は、ほぼ全土が山岳地帯や高地となっており、コーヒー栽培も有名なアンデス山脈の斜面で行われています。
標高の高いところで栽培されることで、日中と夜間の気温差が生じます。その気温差によるストレスが糖分の生成を促し、糖分の一部はローストされる間に酸味へと変わり、良質な香り成分となります。糖分はコーヒーの酸味のもととなると同時に甘みも強くします。
また、栄養価が高く水はけのよい、火山灰性の土壌であることも重要です。火山灰は植物にとって根を伸ばしやすい、保湿力に優れているため乾季でも植物に十分な栄養を与え続けることが出来る、などのメリットをもたらします。火山灰自体も硫黄を多く含んでおり、この硫黄が実を形成する段階で、コーヒーの香りのもととなっています。
ほかにも、気候や年間2000mmをこえる降雨量など様々な条件が重なり、コーヒー栽培には絶好の環境となっているのがコロンビアに見られる特徴です。
作る地域で味が違う!コロンビアコーヒー
南北に広がり標高の差が大きいコロンビアでは、各地でコーヒーの味わいが異なる面白い生産国でもあります。
北部地方は、低めの標高と高めの気温の土地であり、コーヒーはより長く日光にあたります。そのため、高低差で段階分けされた日陰で守りながら育てられます。
味は、柔らかな酸味と、中から高程度のボディがあり、ナッツのようなコクと、チョコレートのような香りが楽しめます。
中部地方は、雨季と乾季が散在して起こる気候であるため、年間を通じて新鮮なコーヒーの収穫が可能となっています。
味は、フルーティでハーブのようなバランスの良い香りとなります。
南部地方は、標高が高く、気温が低い土地で栽培されます。
味は高い酸味が特徴的で、ミディアムボディに柑橘系で甘い香りのまろやかな味わいとなっています。
コロンビア国内だけでみても、これだけの違いがあります。飲み比べると、自分好みのコロンビアコーヒーを見つけられそうですね!
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